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3.揺れる葦原とどこまでも伸びる根~美術のはなし

はじめてだらけだった犬猫会『The Reed』のアレコレ。美術をお願いするというのも初めてのことでした。

美術をご担当下さったのは、文学座の乗峯雅寛さんと文学座附属演劇研究所に所属する正岡香乃さん。役者陣との稽古が始まる前から、山猫の台本が固まる前から(汗)、『The Reed』の世界をどう舞台上に体現するのか打合せを重ねて幻想的な空間を実現してくださいました。
 

アルテリオの空間に悠然と揺れた葦原の風景。実はあの葦を模した角材は、2面ずつで色が塗分けられています。青々と茂る葦と、枯れて黄金色の葦。

お気づきになりましたか?

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2色を背景にして、更にボタンカラー(が良いのだと聞いた)による装飾が施されています。舞台上に敷かれたパンチにも装飾がありますが、筆遣いがかっこよくて盗撮しまくってしまいました。

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稽古場で黙々と作業して下さった正岡さんの姿は、最も未世の住人であるかのような雰囲気を醸し出していました。

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劇場入りをすると今度は劇場の装飾に取り掛かります。舞台上には葦が揺れ、下には葦の根が伸びていました。未世とこの世を地続きに広がる葦原を表すように蹴込から床から客席まで伸びる葦の根。

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この葦根は正岡さんと乗峯さんのおふたりによって、どんどん、どんどん、伸びていったのでした。乗峯さん「だんだん、この素材に慣れてきた」そう仰いながら、あやうく客席の一番後ろまでいってしまうんじゃないかという勢いで。

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作品の世界観と、舞台の表現とが融合した美術。役者の身体とも一体となる美術であり、ある意味で役者でもあった雄弁な美術。あの空間と一緒にお芝居ができたことを誇りに思います。ありがとうございました。

 

ぜひ配信で、2色の配色まで目を凝らしてご覧くださいね…!

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