
犬猫会 vol.7

パラナ・ポラー
作 マルハ・ブスタマンテ/翻訳 仮屋浩子
犬猫会より公演に寄せて
3月に引き続き南米の旅が続きます。
今度はチリのお隣アルゼンチンの物語。
温暖化の進行により異常気象に見舞われた世界で、
たったふたり取り残された女たちに何が起きるのか。
自然の猛威や息遣いを感じさせながらファンタジックで広大な世界観と、
国境を超えて共感できるリアルな人と人とのやりとりに魅了されました。
日本も例年より遅れての梅雨入りで、今年も猛暑の予感ですね。
不穏な地震も頻繁に起きています。
もしも極限状態に陥ったとき私たちは、手を差し伸べあえるでしょうか。
その手を取り合えるでしょうか。
もしかしたら、極限状態でこそできるのかもしれません。
だからこそ、日々の生活から、そうありたいと思いながら。
皆様のご来場、お待ちしております!
山下/山猫 智代
久しぶりの演劇公演です。
選んだ作品は『パラナ・ポラー』。ラテンアメリカ、アルゼンチンの気鋭の作家マルハ・ブスタマンテの作品は、ファンタジーとも違うマジックリアリズムの世界観で私たちに女性達の連帯の物語を届けてくれます。
或る者たちから逃げてパラナ川をボートで進むポラーカとグリンガの二人だけで織りなされる今作ですが、二人がかつて愛したサントという男性や、グリンガのお腹の中にいる子どもの存在(そして追ってくる者たち)など、彼女たちを取り巻くその他の者たちの話でもあります。作品の中に眠る作者が散りばめた沢山の要素を一つずつ掬い上げて、丁寧に形にしていきたいと思っております。
また、文学座からお迎えする宝意紗友里さんと犬猫会の山下の二人のやりとりも魅力の一つですし、今回も素敵なスタッフ陣をお迎えしての作品作りとなります。2024年の夏に、観て良かった演劇として皆様の記憶に残る作品作りを目指して、邁進します。
劇場にてお会いできますことを、楽しみにしております。
水野/犬野 玲子